ユユン領事

Bpk Yuyun Kamhayun
(ユユン カムハユン)

2017年2月に、経済部担当領事として大阪に赴任したユユンさん。

冗談がお上手で、スポーツ好きの中年紳士。現在は奥様と大阪市内で暮らしておられますが、日本の狭さと家賃の高さに驚いたとのこと。さらに日本赴任中に、娘さん(30歳)と息子さん(27さん)も呼び寄せて日本の暮らしを経験させたかったようですが、外交官と言えども、成人した家族の滞在ビザはおりないと聞いて断念したそうです。

西ジャワのバンドゥン(スンダ人)のご出身で、日本に来る前までは、バンドゥンのご実家以外に、ボゴールにもご自分の家を建てられ、ご家族で暮らしておられたのですが、お子さんも大学やお仕事で家を離れることも多くなり、今回日本への赴任も決まったので、昨年、ボゴールの家を売却してしまった。しかし余りにも日本の住宅環境が悪いので、広々とした部屋や庭もある長閑なボゴールの家が、今はとても懐かしいとのことです。


左 ASSI 高木典子    右 ユユン カムハユンさん

 

さてYuyunさんは主に経済分野を担当する外交官として、これまで世界各地を赴任されてきました。最初の海外赴任は、パプア・ニューギニアです。ご存知の通り、ニューギニア島の半分はインドネシア領でもあり、インドネシアとしては、すぐ隣の国ということになります。この国の経済は天然資源、とりわけ石油、ガス、鉱物資源などを海外に輸出して成り立っているのですが、その殆どがオーストラリアやアメリカの企業で、地元には利益が行き渡らず、当時の国民は貧しい生活をしているなぁと感じたそうです。

次に赴任したのはデンマーク。当時、デンマークに住むインドネシア人は400人くらいと記憶している。自分にとって2年間の赴任時代の印象は、寒く寂しいイメージだそうです。さすが常夏の国の人らしい印象ですね(笑)。

1997年からはオーストラリアのメルボルンに赴任。皆さんもご存じの翌98年5月にはスハルト退陣、97年の秋以降、暴動が相次ぎ、新政権樹立後の生活物資の高騰や政治の不安定時代が続きます。実は私がインドネシア料理店を初めて開店したのが98年の12月でした。新時代到来に期待する大きなエネルギーが渦巻く新しいインドネシアを感じる時期でもありました。その変動の時に、Yuyunさんはオーストラリアのメルボルンにいました。東ティーモールの独立運動もあり、オーストラリアとは政治的には安定した関係とは言えない状況もあり、またインドネシアは牛肉や小麦のほとんどをオーストラリアからの輸入に頼っており輸入超過の相手国でもあったので、なんとかインドネシアからの輸出を拡大しようと努力したそうです。ファニチャー、鉱物資源、香辛料、テキスタイルなどが輸出の主な商品でした。

次に赴任したのはパキスタンです。2004年から約4年。この赴任中、経験したことのひとつが、パキスタンからもたくさんの志願兵がアフガンへ渡っているという現実でした。89年にソ連がアフガニスタンから撤退したが、アフガニスタン内紛のあとタリバン政権が誕生し、あの2001年のアメリカ同時多発テロが起こり、今度はアメリカがアフガンに侵攻。

Yuyunさんが赴任していたころは、アメリカのテロとの戦いに隣国パキスタンも巻き込まれ、アメリカがパキスタン政府に協力を強制し、政府への反発からも志願兵が国境を越えアフガンの戦闘に参加する人も多くなるなど。

イスラム圏の問題、テロとの戦い、アメリカとの関係など、政治的にとても難しいことが多く、同じイスラム国の外交官として、その時期に起こったことは印象が深かったそうです。

次の赴任地は仏教国タイ。しかし赴任地はバンコクではなくソンクラ(Sonkhla)という町。ここには少数ながらマレー系の人たちが住んでおり、その多くがイスラム信者だったそうです。タイでは本当にあちこちにマッサージ屋さんが多く、お寺の中にまでマッサージ屋がいるのには驚いたそうです。

さて今年2月に日本に初めて赴任したYuyunさんですが、実はジャイカのジャパンアセアンユースプログラムで、29歳の時に1か月間だけ日本に来たことがあるそうです。28年前のことです。東京、岐阜、広島に行ったことを記憶しているとのことですが、その時、一番驚いたのは、東京の満員電車です。もう死ぬかと思ったぐらい。日本人は毎日、働くのも大変な人たちなのだと感じたそうです。その1か月の経験のなかで、お気に入りは温泉だそうです。確かにYuyunさんの故郷バンドゥンにも温泉がありますから、親しみやすかったのかも知れませんね。

日本に来て、残念なことは英語があまり使われないことです。直接コミュニケーションが取れないので困っているとのことです。でも東京より大阪は自分にとって暮らしやすいので気に入っているそうです。

西日本各地で開催している経済セミナーなど忙しくされているYuyun領事ですが、ASSIの取材にお時間を割いて頂きましたことに感謝いたします。

 

2017年9月取材   文責:高木 典子

 

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